驚きのアウトバースト!
       ホームズ彗星

10月の星空
  

おひつじ座〜うお座にかけて


2007.10.17.撮影
左の写真のガイド








雑木林の葉が少しずつ落ちてくると、空が拡がったように見えてくる。

雑木林の下から見上げていた空がだんだんと大きく拡がってくるのだ。

けれど、その拡がった空にある秋の夜空は、ちょっとさみしい。

大きなみずがめ座が南の空にあっても、あまりに漠然としていて、ひとつひとつの星を結ぶことなど至難の業。

夏の豪快な天の川と、冬の荘厳な天の川の南側で、秋の星たちは控えめにまたたいている。






ふたご座に入った火星


2007.10.21.撮影

左の写真のガイド



 赤い火星はふたご座の足下に入り込んだ。
 惑星が入った星座は形が一変する。明るい惑星は、星座の主役を奪い去っていくようだ。
 かろうじて1等星の地位を守っているふたご座のカストルとポルックスは、今年はすっかり脇役。




オリオン座流星群


観測時刻 観測時間 ↓Ori 数 その他の流星
2007年10月21日 23:30 - 23:45 15分 5 0
23:45 - 24:00 15分 2 0
2007年10月22日 00:00 - 00:15 15分 0 1 雲あり
00:15 - 00:30 15分 4 2
00:30 - 00:45 15分 2 1
00:45 - 01:00 15分 2 1
01:00 - 01:15 15分 3 1
01:15 - 01:25 0 0 0 雲で星見えず
01:25 - 01:45 20分 5 0
01:45 - 02:00 15分 4 0 雲あり
02:00 - 02:15 15分 3 0 雲あり
02:15 - 02:30 15分 2 3
02:30 - 02:50 0 0 0 雲で星見えず
02:50 - 03:00 10分 1 0 雲あり
03:00 - 03:15 15分 3 1 雲あり
03:15 - 03:30 15分 4 0
03:30 - 03:45 15分 4 0
03:45 - 04:00 15分 2 0

 最近活発な活動を見せているオリオン座流星群。
 昨年は突発的な大出現をしたのに、見逃してしまって、悔しい思いをしたのだった。
 今年は… といえば、やはりかなりの出現数があったよう。左の表は写真観測をしながらカウントしたもので、かなりの見逃しがあるはず。実際の出現数はもっとずっと多かったことだろう。
 しぶんぎ座流星群、ペルセウス座流星群、ふたご座流星群の三大流星群に加えて、オリオン座流星群はこれから注目の流星群になるようだ。

 …肝心の写真はひとつだけカスのようなのが写っただけで残念でした。



十三夜



2007.10.13.撮影

9月の中秋の名月に続き、10月は栗名月・「十三夜」の月。
けれど、今年の「十三夜」の月齢は11.9。本当の月齢13になるのは翌日10月24日のことだった。





大アウトバースト! 
ホームズ彗星(17P/Holmes)

 本当にびっくりした! それまで17等星だった彗星が、あっという間に2等級台の明るさになってしまったとは!
 10月25日のニュースで聞いて、2等星さえよく見えない満月の空に望遠鏡を持ち出し、ファインダーでさぐると、明るい彗星が簡単に望遠鏡の視野に入ってきた。


2007.10.25. 

2007.10.25.
 双眼鏡では恒星状。望遠鏡でアップしてみると、なるほどという彗星の姿になる。けれど、普通の青い彗星の姿とはかけ離れて、望遠鏡を通してみる彗星は黄色みがかった色をしていた。
 写真を撮ってみると、数秒の露出で飽和してしまうのか、拡大したような恒星状に写ってしまう。
 望遠鏡の直焦点で撮影した画像を強拡大してみると、望遠鏡で直接のぞいたのと同じようなコマを伴った姿が現れた。
 (露出1.6秒〜1秒の数画像を合成)


10月28日の姿


2007.10.28.  23:08

           2007.10.28.   23:16
 3日前の姿よりも拡散して、双眼鏡でも一目で普通の星とは違っている様子がわかる。
 月明かりと薄雲の障害があっても肉眼で存在は確認できた。
拡大してみると、中心部には核が見えてきた。核の周囲に拡がるコマも濃い部分と薄い部分に分かれ、明るい惑星状星雲を見ているようだ。


10月29日の姿


2007.10.29.   23:20


 2007.10.29.   23:10ころ撮影した数カットを合成
  彗星はさらに拡散したもよう。  明るいコマの部分は核からかたよってみえているが、全体としてみると、同心円状に見えている。





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