1月の星空


南へ向かうタットル彗星                






 暖冬とはいえ、1月の標高700mの冬の夜は厳しい冷え込みとなる。

 秋から稼働しはじめた望遠鏡の小屋にかけられた温度計は−8.5℃まで下がった。

 それでも、スライディングルーフの中に置いたコタツに入って見る夜空は暖かい。

 透き通った夜空をコタツに入りながら見る贅沢…。




 ペルセウス座のホームズ彗星はどんどん淡くなり、

 北天にあったタットル彗星は明るさを増しながら、急速に南へ。

 楽しませてくれた2つの彗星が見えなくなると、賑やかな冬の夜空もちょっとさみしくなる。






上の写真のガイド





ホームズ彗星    17P/Holmes


1月1日の姿



 1月になってもかろうじて肉眼で見えている。淡くひろがった彗星は月の視直径をはるかに超えている。

 時刻 21:43 〜 21:49 にかけて撮影した2画像を合成



 



1月4日の姿



 いよいよ淡くなったホームズ彗星。
 それまで一コマにつき3分の露光で撮影していたものをこの日から4分に増やしてみた。

 時刻 21:27 〜 21:35 にかけて撮影した2画像を合成






1月9日の姿

 透明度のすこし悪かったこの日、肉眼でホームズ彗星を捉えることはできなかった。
 もちろん双眼鏡や望遠鏡のファインダーではぼっ〜とした雲のようには見えているのだけれど。

 時刻 23:29 〜 23:37 にかけて撮影した2画像を合成





1月27日の姿

 月明かりのなくなった1月下旬。さすがにもう肉眼では見えない。
 2度目のアウトバーストがあるかも…の予想は残念ながらはずれなのか?

 時刻 20:41〜20:48 に撮影した2画像を合成





 タットル彗星  8P/Tuttle  


1月1日の姿

 さんかく座とおひつじ座の間に明るくなったタットル彗星の姿があった。淡くなったホームズ彗星に比べて、望遠鏡で眺めるとこちらの方が明るく見えていた。


 撮影時刻 21:38
 露出時間 184秒


     



1月4日の姿




 この日、撮影したタットル彗星の右上に薄いながらも細い尾を認めることができた。

撮影時刻 21:38
露出時間 249秒




1月5日の姿

 前日尾が写ったので、もっとしっかりと写してやろうと気合いを入れて撮影したのに、もう、尾は写らない。彗星は日々刻々と姿を変えているのだ。

撮影時刻 22:01
露出時間 250秒


1月6日の姿



 急速に南下していくタットル彗星。北天にいたときには一晩中見ることができたのに、これからは夕方の早い時間にしか見られなくなってしまう。そして、光度も少しずつ落ちてくる。
 
 

撮影時刻 22:29
露出時間 244秒


 




地球に接近した小惑星・2005WJ56 

 地球に0.28AU(1AUは地球と太陽の距離)まで大接近した小惑星2005WJ56。
 あまりに地球に接近したため、星空の中に駆け抜けていった光跡が一直線に残されてた。(写真の矢印の先)このときの明るさは約11等。最接近した1月10日ころは、天球上を一日のうちに13°も移動する計算になったという。

2008年1月9日 23:49 〜 1月10日 00:07にかけて撮影した4画像を合成








 ビルタネン彗星  46P/Wirtanen


 明るくなりつつ北上しているというビルタネン彗星をついにこの日捉えた。
 よく見れば、尾のようなものが見えないこともない…。

 撮影日 2008年1月27日
 時刻 20:07〜20:21 にかけて撮影した3画像を合成






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