2014年
11月の星空


遠雷に沈む夏の大三角


2014.11.14.  榛名山西麓




 冬型の気圧配置になると、しばしば日本海側は雪雲に覆われる。
 そんなとき、榛名山から見る上越国境の山々には雷雲がへばりつくように見えることがある。
 太平洋側の満天の星空にもときどきそんな雷光は漏れてくる。
 秋の終わり、雷光の光る山々に夏の星たちが消えていった。

 





IC405 まが玉星雲


2014.11.28.  榛名山西麓


 五角形のぎょしゃ座の中にはいくつかの散光星雲がある。
 このIC405・まが玉星雲もその一つ。
 赤いまが玉の一番明るいところにあるのはぎょしゃ座AE星と名付けられた不規則変光星だ。別名ランナウェイ・スター=B
 こんな“ランナウェイスター”は他に、はと座μ星、おひつじ座53番星が見つかっているという。それぞれの運動を逆に辿っていくと、たどり着く先はオリオン座。
 この星はその昔、オリオン座の中心部あたりにあったのだが、オリオン座で起こった超新星爆発によって弾き飛ばされて、今、このぎょしゃ座にまで飛んできているのだと考えられている。爆発があったのは地球上にアウストラロピテクスが生きていたころだろうか。
 3連星だった兄弟星たちが、別の星の超新星爆発に巻き込まれて、散り散りに別の方向へ飛ばされていった… 人類の観測はそんなことまで解き明かしつつある。
 そして、ぎょしゃ座のこの場所をランナウェイ・スターが駆け抜けていった後には、もはや赤いまが玉の姿は見えず、暗黒星雲が残されるのみ… と、人類の観測は予測する。







2014年2度目の十三夜の月



2014.11.5. 榛名山西麓から
 今年は旧暦ではうるう月が入る年だった。それも、10月の後に。おかげで、今年は十三夜が2度もあった…。
 と知ったのは、当日のニュースと天文とはあまり縁のない人たちからの情報だった。

 誰が名付けたか「ミラクルムーン」
 「今日の月は大きいらしいよ。」とか、「今日はとても近くに月が来ているようだ。」とか、なかなかニュースは正確には伝わらないものである。
 当たり前だが、この日の月もいつもと変わらない月齢13の月だった。「スーパームーン」は名前負けである。









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