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古代の天文学者・トレミー(プトレマイオス)がつくった48の星座のうちのひとつ、ケンタウルス座。
上半身は人、下半身は馬というケンタウロス族の姿だ。
南天の低い位置にしか姿を現さないケンタウルスは、榛名山からはその上半身を見るのがやっとのことで、真南が地平線付近まで視界が利かないと、その上半身さえ見えない。
ケンタウルス座には巨大な球状星団であるオメガ星団がある。
赤緯は−47°28′。冬のカノープスよりは少し高度は高くなるが、見るには少し幸運が必要となる。
オメガ星団はあまりにも明るい星団であるので、トレミーはケンタウルス座をつくったときに星座をつくるひとつの星として見ている。
1603年、ドイツのヨハン・バイエルが最初の全天星図「ウラノメトリア」を発表したときにも、この天体はまだ星団とは認識されておらず、ひとつの星(恒星)として記載された。バイエルはこの星図の中で、星座を構成する星にギリシャ文字やローマ字を割り振っているが、のちに巨大な球状星団とわかるこの天体にはギリシャ文字で「ω」が割り振られている。これが現在にまで残って、その名も「オメガ星団」となった。
ちなみに「ウラノメトリア」で割り振られたギリシャ文字などはそのまま現在も使われ、「バイエル符号」と呼ばれている。
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