2024年3月の星空

　まだ宵のうちに、オリオンが浅間山の上空にさしかかるようになると、もうすっかり春。
　冬の星たちは足早に西の地平線へ姿を消していく。
　東の空にはちょっと地味な春の星座たち。
　春霞に透明度が失われていく、名残惜しい季節。

　秋から冬の間、高々と上空にいたカシオペアは高度を下げ、とってかわるようにおおぐま座の北斗七星が昇りつめていく。
　その回転の中心にあるのは、もちろん北極星。
　反時計回りに星座が巡る。

　双子の足元は天の川の中。
　散開星団やら、散光星雲やら、賑やかな領域だ。
　撮影しないと判然としない天体が多いけれど、Ｍ３５は眼で見てわかる大きな散開星団。そして、そのすぐ近くには小さな密集した散開星団のＮＧＣ2158。（画面ではＭ３５の右下）
　　Ｍ３５よりも彼方にあるNGC2158の存在は、平面的にしか見えない宇宙の姿に奥行を感じさせてくれる。